2014年新料金プランの特徴
2014年半ばになり、3大キャリアであるドコモ・au・ソフトバンクが新たな料金プランをスタートさせました。また、旧ウィルコム・旧イーモバイルが合併しYahooが買収。ワイモバイル株式会社が設立され「Y!mobile(ワイモバイル)」という新ブランドも生まれ新しい料金プランがスタートしています。
キャリア | 新料金プラン名称 | 提供開始時期 |
---|---|---|
ドコモ | 「カケホーダイ&パケあえる」 | 2014年06月01日 |
au | 「カケホとデジラ」 | 2014年08月13日 |
ソフトバンク | 「スマ放題」 | 2014年07月01日 |
ワイモバイル | 「スマホプランS/M/L」 | 2014年08月01日 |
これらの料金プランを見ていくと、3大キャリアであるドコモ・au・ソフトバンクの料金プランは、若干の特徴になる違いはあるものの、ほぼ横並びのプラン内容および料金設定になっていて、ワイモバイルが旧イーモバイル・ウィルコムの料金プランの流れを汲んだ独自のプラン設定になっているようです。
これらのプランの共通した特徴、旧料金プランとの大きな違いは以下の2つだと思います。
●国内通話定額プラン(かけ放題プラン)の採用
●パケットの上限通信量設定のバリエーション化
まずは何といっても国内通話料金がどれだけかけても変わらないいわゆる「かけ放題プラン」を各キャリアが採用したことではないでしょうか。無料通話アプリなどの普及から従課金制度の通話料金設定は終わりを告げたのかも知れませんね…。
それからもう一点は、上限通信量設定のバリエーション化です。ここでいう「上限通信量」とは、通信速度制限(送受信時最大128Kbpsに制限)がかかる一月の上限データ通信量のことを指します。この上限通信量、旧プランでは契約のほとんどが「7GB」の上限通信量だったのに対して、今回の新料金プランでは「1GB」~「30GB」と様々なバリエーションが提供されています。
それではまず、おそらく各キャリアの一番多い契約内容になると思われる標準的なプランから比較してみようと思います。
料金プランの比較
※ 特に記載の無い料金表示はすべて税抜き表示です。
各キャリアの標準的な2014年新料金プラン
docomo | au | SoftBank | Y! mobile | |
---|---|---|---|---|
基本 プラン | 2,700円 カケホーダイ | 2,700円 カケホ | 2,700円 スマ放題 | スマホプランM 【3GB】 3,980円 スマホプランL 【7GB】 5,980円 【↓オプション】 スーパー 誰とでも定額 1,000円 |
パケット料 | パケットパック 【5GB】 5,000円 データMパック | デジラ 【5GB】 5,000円 データ定額5 | スマ放題 【5GB】 5,000円 標準パック | |
インターネット 接続料 | 300円 | 300円 | 300円 | |
標準的な プラン 合計 | ||||
8,000円 (税込8,640円) | 8,000円 (税込8,640円) | 8,000円 (税込8,640円) | スマホプランM 4,980円 (税込5,378円) スマホプランL 6,980円 (税込7,538円) |
3大キャリアの標準的なパケットプランは、それぞれの公式HPにも標準として取り扱われている上限通信量「5GB」のプランを掲載しています。ワイモバイルのプランに関しては「5GB」の設定が無いので、「3GB」と「7GB」の両方を掲載してみました。
この表を見てもらえばすぐにわかるように、この標準的なプランではワイモバイル以外の3大キャリアはまったく同じ料金設定になっています。その合計料金は通話料金も含めて「8,000円+税」という料金で、今回の料金プランの改訂が「実質上スマホ使用料金の値下げ」と言われているように、旧プランと比較すると通話の使用頻度によっても違いますが、かなりお得になった気がします。
それではドコモ・au・ソフトバンクにはどのような違いがあるのでしょうか。その違いは、バリエーションが豊富な上限通信量から設定された「パケットプラン」の中にあるようです。それでは3大キャリアの「パケットプラン」のバリエーションを見ていきましょう。
(※「ワイモバイル」は独自の料金設定のため、ページ後半にその内容をまとめています。)
パケットプラン バリエーション比較(ドコモ・au・ソフトバンク)
キャリア | パケットプラン バリエーション | 余剰データ | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
共有 | 繰越 | |||||||
ドコモ | 2GB | 5GB | 10GB | 15GB | 20GB | 30GB | ○ | ― |
ソフトバンク | 2GB | 5GB | 10GB | 15GB | 20GB | 30GB | ○ | ○ |
au | 2GB | 3GB | 5GB | 8GB | 10GB | 13GB | △ | ― |
この表を見てみると、パケットプランのバリエーションは3大キャリアの内、ドコモとソフトバンクが同じデータ容量のプランを提供しているのに対して、auはそれとは異なるバリエーションを提供していることに気付きます。
まず1人で1台のスマホを契約するとした場合、ドコモは6パターンのパケットプランの内、「2GB」か「5GB」のどちらからしか選択することができません。ソフトバンクは全6種類のパターンから選択することはできますが、標準プランが「5GB」ということを考えると「30GB」や「20GB」は必要ないケースが圧倒的に多い気がします。
それに対してauの場合は、「2GB」「3GB」「5GB」「10GB」「13GB」と、小刻みに6種類のプランを提供しているので、自分に見合ったプランを選択しやすいといえるかもしれません。
どのキャリアも月の途中容量が足りなくなったら追加で購入することはできますが、あらかじめまとめたプランで購入するよりも割高になるケースが多いようです。
ここまでみると、似かよった3大キャリアの新料金プランの中でも「au」が若干利便性があるプランのように思えます。ですがこのパケットプランのデータ容量は、複数台のスマホ契約をしている場合そのデータ容量を共有できるという特徴があるのです。
ドコモとソフトバンクは、それぞれ「シェアパック(ドコモ)」「家族データシェア(ソフトバンク)」というサービスを提供していて、代表者の契約したデータ容量をシェア(分け合う)して使うことができるようになっています。
auは、2014年8月現在はデータの共有はできませんが、2014年12月から「データギフト」という、データ容量(0.5GB単位)を追加料金なしでリアルタイムに贈りあうことができるサービスを開始することを提示しています。
今度は家族などで複数のスマホを契約しているケースを見ていきましょう。
例えば4人家族でそれぞれ1台ずつ計4台のスマホ契約があったとします。また、4台でひと月に必要なデータ容量は合計約20GBと仮定します。
ドコモとソフトバンクは、この場合代表になる回線がまとめて20GBのパケットプラン契約をします。そしてそのほかの3つの回線(子回線)は、500円/月の料金を加算することでこのデータ容量を共有して使用することができます。
auの場合は、まず4台の契約で4人それぞれの使用するデータ容量を予測してパケットプランを契約することになります。そして使用していくうちに自分のデータ容量の中から、あまりそうな分をリアルタイムにほかの回線契約に贈りあうことができるというものです。(2014年12月開始予定)
それではこのケースの場合の月額データプラン料金を比較してみましょう。
docomo | SoftBank | au | |
---|---|---|---|
契約A | 【20GB】16,000円 | 【20GB】16,000円 | 【13GB】9,800円 |
契約B | 【使用料】500円 | 【使用料】500円 | 【2GB】3,500円 |
契約C | 【使用料】500円 | 【使用料】500円 | 【3GB】4,200円 |
契約D | 【使用料】500円 | 【使用料】500円 | 【2GB】3,500円 |
合 計 | 17,500円 | 17,500円 | 21,000円 |
料金を比較してみると、auに比べドコモ・ソフトバンクが割安になることがわかります。契約回線数が多くなれば更にこの差は大きくなると予想できます。
私の周りでも、同じ家族同士でも異なるキャリアで契約しているケースも多く見受けられますし、スマホを使っている契約者には、それぞれ独自の家族構成や事情があります。自分の環境と各キャリアの特性を照らし合わせて比較することが大事かも知れませんね。
それでは次にドコモとソフトバンクの違いについて見ていきましょう。ここまではまったく同じような料金プランの両キャリアのプランですが、それぞれに特徴を持った違いがあります。
それぞれの相手よりも優れていると思われる主な特徴をまとめてみました。
■ドコモ独自の特徴
「パケットプランのシェアできる範囲が広い」
ソフトバンクの場合、シェアできる範囲は「家族で9回線まで」に限定されているのに対し、ドコモの場合データをシェアできるグループ(シェアグループ)が組める範囲は、主回線契約者から三親等までなら誰とでも組むことができるという驚きの範囲の広さを持っています。
例えば、自分や配偶者の親の兄弟、つまり叔父・叔母ともシェアグループを組むことができます。叔父・叔母とは、支払い請求先が異なるケースがほとんどだと思いますが、このシェアグループは、請求グループが異なっても組めるという特徴があります。
■ソフトバンク独自の特徴
「余ったデータ容量を翌月に繰り越すことができる」
新料金プランの中で、唯一余ったデータ容量を翌月に持ち越せるのがソフトバンクの料金プランです。5GB以上の定額パックに加入している契約者ならば、余ったデータ量を100MB単位(1000MB=1GB)で翌月に繰り越すことができます。
翌月に持ち越すことができれば、余っているデータ量にしたがって翌月のプランを変更することもできますので、データ容量の無駄がでません。個人的にはこれはかなり大きなポイントではないかと思っています。
新料金プランのパケット料金内容・比較(ドコモ・au・ソフトバンク)
docomo | au | SoftBank | |
---|---|---|---|
2 GB | 3,500円 【1GBあたり 1,750円】 | 3,500円 【1GBあたり 1,750円】 | 3,500円 【1GBあたり 1,750円】 |
3 GB | ― | 4,200円 【1GBあたり 1,400円】 | ― |
5 GB | 5,000円 【1GBあたり 1,000円】 | 5,000円 【1GBあたり 1,000円】 | 5,000円 【1GBあたり 1,000円】 |
8 GB | ― | 6,800円 【1GBあたり 850円】 | ― |
10 GB | 9,500円 【1GBあたり 950円】 | 8,000円 【1GBあたり 800円】 | 9,500円 【1GBあたり 950円】 ※10GBお徳キャンペーン時 8,000円 【1GBあたり 800円】 |
13 GB | ― | 9,800円 【1GBあたり 754円】 | ― |
15 GB | 12,500円 【1GBあたり 833円】 | ― | 12,500円 【1GBあたり 833円】 |
20 GB | 16,000円 【1GBあたり 800円】 | ― | 16,000円 【1GBあたり 800円】 |
30 GB | 22,500円 【1GBあたり 750円】 | ― | 22,500円 【1GBあたり 750円】 |
共有 | ○※1 | △※2 | ○※3 |
繰越 | × | × | ○※4 |
※1「シェアパック」
シェアグループという主回線契約者から三親等までの範囲でくめるグループ(ファミリー割引が組める範囲)でパケットをシェアできるサービス。料金は代表者が選択した容量のプランに応じた金額を負担し、その他の子回線の方々は「シェアオプション月額定額料」として500円/月(税込540円/月)の負担になります。
※2「データギフト」【2014年12月開始予定】
それぞれの回線で指定のプランに加入していて、「一括請求/KDDIまとめて請求グループ」または「auスマートバリューグループ」に登録している契約者同士で、データ容量(0.5GB単位)を追加料金なしでリアルタイムに贈りあうことができるサービス。
※3「家族データシェア」「2台目データシェア」
家族もしくは一人で、親回線契約が大容量パック(10GB・15GB・20GB・30GB)の定額パックに加入している契約者が、子回線1台につきデータシェア月額使用料
500円/月を負担することで、データ量をシェアできるサービス。(最大9回線まで)
※4「データくりこし」
5GB以上の定額パックに加入している契約者が、余ったデータ量を100MB単位(1000MB=1GB)で翌月に繰り越せるサービス。
ワイモバイルの料金プラン
冒頭の標準的な料金プランの比較表を見ても、一目でコストパフォーマンスに優れているのがこのワイモバイルのプランです。
プラン構成が他のキャリアとは異なり実にシンプルでわかりやすい内容になっています。
Y! mobile(ワイモバイル)の料金プラン
プラン名称 | スマホプランS | スマホプランM | スマホプランL |
---|---|---|---|
上限通信量 | 【1GB】 | 【3GB】 | 【7GB】 |
通話に関する サービス | 【標準サービス】通話無料サービス(10分以内の国内通話が200回/月まで無料) | ||
料金 | 2,980円 (税込3,218円) | 3,980円 (税込4,298円) | 5,980円 (税込6,458円) |
通話に関する オプション | 【オプション】スーパー誰とでも定額 1,000円 | ||
かけ放題付き 合計料金 | 3,980円 (税込4,298円) | 4,980円 (税込5,378円) | 6,980円 (税込7,538円) |
Y!mobileの場合、他のキャリアでいうと「基本使用料金」と「パケット通信料」と「インターネット接続料」をまとめたようなプランが、「スマホプラン
S【1GB】/M【3GB】/L【7GB】」と3種類用意されており、この中から必要なプランを選択して契約します。
プラン内容を見てみると、プラン料金のコストパフォーマンスの良さが伺えますが、それだけではなく特筆すべきポイントは、通話に関する内容です。
オプションで「スーパーだれとでも定額」を1,000円/月で付帯することで他のキャリア同様「かけ放題」にすることもできますが、標準サービスで旧イーモバイルの「だれとでも定額」と同じ内容の「通話無料サービス」が付いています。
このサービスは、10分以内の国内通話が200回/月まで無料となるサービスで、あまり長電話をしない人にとっては「かけ放題」プランにしなくても標準で充分対応できる内容になっています。
2014年8月20日現在、取り扱い機種を見てみると「AndroidのiPhone」といわれる「Nexus 5」以外は、ラインナップに正直見劣りする感はありますが、新機種も取り扱っていくようですし、今後目が話せないキャリアになっていく予感がします。
2014年 新料金プランのまとめ
最後に4つのキャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の新料金プランをまとめてみました。尚、詳細は各キャリアの公式ページもしくは取り扱い店舗にてご確認ください。
キャリア | 基本使用料 | インターネット 接続料 | 上限通信量 パケット料 | 合計 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ドコモ | 2,700円 カケホーダイ | 300円 | パケットパック | ひとりで利用 | 【2GB】 3,500円 | 6,500円 (税込7,020円) | ||||
【5GB】 5,000円 | 8,000円 (税込8,640円) | |||||||||
家族でシェア | 【10GB】 9,500円 | 12,500円 (税込13,500円) | ||||||||
【15GB】 12,500円 | 15,500円 (税込16,740円) | |||||||||
【20GB】 16,000円 | 19,000円 (税込20,520円) | |||||||||
【30GB】 22,500円 | 25,500円 (税込27,540円) | |||||||||
【子回線】 500円 | 3,500円 (税込3,780円) | |||||||||
au | 2,700円 カケホ | 300円 | デジラ | 【2GB】 3,500円 | 6,500円 (税込7,020円) | |||||
【3GB】 4,200円 | 7,200円 (税込7,776円) | |||||||||
【5GB】 5,000円 | 8,000円 (税込8,640円) | |||||||||
【8GB】 6,800円 | 9,800円 (税込10,584円) | |||||||||
【10GB】 8,000円 | 11,000円 (税込11,880円) | |||||||||
【13GB】 9,800円 | 12,800円 (税込13,824円) | |||||||||
ソフトバンク | 2,700円 スマ放題 | 300円 | スマ放題スマ放題 | 小容量パック | 【2GB】 3,500円 | 6,500円 (税込7,020円) | ||||
標準パック | 【5GB】 5,000円 | 8,000円 (税込8,640円) | ||||||||
大容量パック | 【10GB】 9,500円 | 12,500円 (税込13,500円) | ||||||||
【15GB】 12,500円 | 15,500円 (税込16,740円) | |||||||||
【20GB】 16,000円 | 19,000円 (税込20,520円) | |||||||||
【30GB】 22,500円 | 25,500円 (税込27,540円) | |||||||||
【子回線】 500円 | 3,500円 (税込3,780円) | |||||||||
ワイモバイル | スマホプランS【1GB】2,980円 【オプション】スーパー誰とでも定額 1,000円 | 3,980円 (税込4,179円) | ||||||||
スマホプランM【3GB】3,980円 【オプション】スーパー誰とでも定額 1,000円 | 4,980円 (税込5,378円) | |||||||||
スマホプランL【7GB】5,980円 【オプション】スーパー誰とでも定額 1,000円 | 6,980円 (税込7,538円) |
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